勝手にタカラヅカ

思いつくまま宝塚について考えたことを記録する

センターが似合う娘役

2016年の月組全国ツアー「激情」を観たとき、これは愛希れいかさんで持っている舞台だなと思った。
「激情」といえば、花總まりさん。
可憐な娘から小悪魔、人妻までなんでも演じこなした宝塚が誇る娘役。
舞台に登場するだけで空気を変えてしまう圧倒的な存在感の持ち主だった。

ただし、12年に渡りトップ娘役に君臨していたため、彼女の陰でいくつもの可憐な花々が散って行った。

愛希さん、もしかして第2の花總さんをめざしていらっしゃった?
「激情」のあと「鳳凰伝」、そして「エリザベート」と花總さんの作品が続く。
「1789」のマリー・アントワネットは愛希さんが先。
残すは「風と共に去りぬ」のスカレーットを演れば、花總さんの代表作はコンプリートだったのだろうが、それは当時の相手役である龍真咲さんに持っていかれている。

愛希さんにはセンターは似合う。

失礼だが、相手役が龍さんから珠城さんに変わってからの彼女は生き生きとしている。
それは彼女が決して男役に尽くすタイプの娘役ではないからだ。
「BADDY」の怒りのロケットなどは、宝塚史上に残るロケットだと思う。
何かにつれ旧態依然の体質が見え隠れするタカラヅカに一矢を報いた感じだ。

センターに立つ愛希れいかは潔い。そしてカッコイイ。
まさにジャンヌ・ダルク。(これも演ったか)

かわって花總さんは愛希さんのように先頭に立ったりはしない。
男役さんの後ろで黙って微笑みながら、舞台のすべてを牛耳っているタイプ。

珠城りょうさんがトップになってから、
「これって、ちゃぴが主体で演目が決まってんじゃないの~」
というくらい、愛希さんありきの作品が続いた。
なかでも「グランドホテル」のグルーシンスカヤ。
30代後半の落ち目のバレリーナを演じた愛希さんは、娘役というよりすでに女優だった。
その後も、踊る王ルイ14世、バレエ団の才能ある代役、と踊れる役が続く。
最後はタイトルロールのエリザベートで退団への花道を飾る。

偉大なパートナーを見送り、珠城さんは新しく美園さくらさんを相手役に迎える。
珠城さんはクセのない男役なので、誰と組んでも似合いそうなものだが、発表を焦らすだけ焦らして発表された相手役が美園さんだった。

美園さんは、華やかな雰囲気のある娘役。ただし好き嫌いが別れそう。
すでに「雨に唄えば」で組んでいる。
そしてプレお披露目が「ON THE TOWN」。似たような作品が続く。
これが本来のトップスター珠城りょうで演りたかった作品なのか。
そう思ってみると、どちらも「偉大な」相手役、愛希さん向きの作品ではない。

ここで気がかりが。
美園さくらさん、オールドファンに言わせれば、「ベルサイユのばら」の初代マリー・アントワネットを演じた初風諄さんに面影が似ているらしい。
誰?と思って検索すると、確かに似ている。

嫌な予感がする。